野球にあってサッカーにないもの?ドラフト制度を解説する

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最近ではいろいろ議論になっています。
 
 
昨晩はだいぶん冷え込みました。
急に涼しくなってきたのでみなさん体調には十分お気を付けくださいね。
僕は早くもダウンしました。大人になってからの風邪は結構きつい。
 
 
先日こんな記事を投稿しました。
 
 
 
日本のプロ野球やアメリカのMLB、MLSなんかは、戦力を拮抗させてスポーツをスポーツとして楽しんでもらおう、という発想の元で運営されています。
ドラフト制度を導入しているのはそのためです。
チーム間格差を少しでも埋めるためですね。

 

ここで僕は「チーム間格差を埋めるためにドラフト制度が存在する」と書いたのですが、ちょっと話が飛びすぎかなと。
 
記事の主題からずれるので詳しく説明しなかったのですが、少しわかりにくい説明になってしまったかなと思ったので、今日はそこについて詳しく解説していきたいなと思います。
 
 

そもそもドラフト制度って何?

まず大前提のドラフト制度について説明しますね。
ドラフト制度とは「プロのスポーツチームが行う、新人選手に対しての入団契約交渉権を獲得するための制度のひとつ」です。
 
ざっくりまとめると、自らのチームへ入団させたい選手への契約交渉はリーグに所属するチーム全部で話し合ってからにしようね。っていう感じ。
 
要はこのドラフト制度が存在するリーグのチームは基本的には「選手を獲得するときに自由な交渉を行うことができない」「ドラフト会議で交渉権を獲得したチームだけが選手との契約交渉を行うことができる」ということです。
 
言葉にするとわかりにくいのですが、小さいころからプロ野球のドラフト会議を観ていた方はなんとなく理解していらっしゃると思います。
 
ここでのポイントはドラフト会議で交渉権を獲得しないと選手との契約交渉を行えないという点です。
これは裏を返せば「選手はドラフト会議で決定されたチームとしか交渉ができない」ということになりますよね。
 
つまりドラフト制度があるとどうしても、自分の所属したいチームに所属できない選手が生まれてしまいます
 
 
 
ここが現在ドラフト制度について議論が交わされているポイントです。
選手の側に球団選択の自由がないのはおかしくないか?というそもそもの疑問ですね。
 
チームは自由に選手との契約交渉ができない、選手は自分の希望するチームと契約交渉できるか分からない。
これでは一見だれも得する人がいないように見えます。
 
そんなドラフト制度を導入しているのはいったいどんな国のどんなスポーツなんでしょうか。
 
 

ドラフト制度は主にどこで導入されているの?

代表的なのはアメリカです。というかほとんどアメリカじゃないのかな。
 
アメリカでは、
 
  • アメリカンフットボール(NHL)
  • バスケットボール(NBA)
  • 野球(MLB)
  • アイスホッケー(NHL)
  • サッカー(MLS)
 
など様々なスポーツの様々なリーグでこのドラフト制度が導入されています。
特にアメフト、バスケ、野球、アイスホッケーの4つはアメリカの4大スポーツと呼ばれるほど人気があるスポーツで、それらのリーグすべてでドラフト制度が導入されています。
 
アメリカ以外の国でいうと日本プロ野球(NPB)とか韓国プロ野球が代表的でしょうか。
というか僕がぱっと思いつくプロスポーツではこれくらいしかありませんでした。
 
意外だったのは日本のバスケットボールリーグ、Bリーグ。
アメリカのNBAに倣ってドラフト制度が導入されているものと思い込んでいました。
 
調べてみるとどうも前身のひとつであるbjリーグでは行われていたようですが、あんまりうまくいっていなかったみたい。
リーグの統合に伴ってやめちゃったみたいですね。当時Bリーグのチェアマンだった川淵三郎の影響もありそうです。
 
ではこれらのスポーツではなぜドラフト制度が導入されているのでしょうか
 
 

ドラフト制度を導入する意味

狙いとしてはやはりチーム間の戦力差をできるだけなくしていくことが一番にあげられると思います。
 
ドラフト制度を導入しているスポーツやリーグには基本的に昇格、降格の制度がありません
昇降格の制度とは成績に応じてチームの所属ディビジョンを変更する制度です。
 
 
ここでいうディビジョンとはMLBでいう東地区などではなく1部2部などのリーグを指します。
MLBではディビジョンが場所によって分けられているのに対して、ドラフト制度のないJリーグやヨーロッパのサッカーリーグでは成績によって分けられている、というとわかりやすいでしょうか。
 
つまりチームは成績によりディビジョンを分けられる=明確に上位リーグと下位リーグが存在する、ということです。
 
なぜ昇降格の制度がないリーグがドラフト制度を採用しているのか
それはチームの成績が固定化され、競争力のあるチームとそうでないチームの差が広がるのを防ぐためでしょう。
 
逆を言えば昇降格のないリーグでは、成績上位のチームと成績下位のチームの差が広がりやすいということです。
 
そしてそうなってしまうと困るのはリーグなんですね。
 
 
ドラフトがない日本のプロ野球を想像してみてください。
 
新人選手は当然成績の良い、成功しているチームに所属したい選手が多いでしょう。(当然例外はあります。)
成功しているチームは収入が多いので給料が多くもらえると考えるのは当然です。
環境面もお金のないチームよりも秀でている場合が多いでしょう。
 
そうなると一部の成績の良いチームに有力な選手が多く集まります
 
有力な選手が多く集まるチームはいい成績を維持します
 
そこで生まれるのはずっといい選手が獲得できない、ずっと成績の悪いチームです。
 
 
昇降格の制度がないリーグでは成績の良いチームと悪いチームがずっと戦い続けるのです。リーグは停滞します。
そこで起こるのはリーグのレベルの低下、もっというと人気の低下です。
 
ずっと同じチームが勝つなら、あるいは負けるのであれば応援する必要がなくなってきます。
 
あるいは、単純に考えて毎年同じような成績で終わるリーグなら観る必要もなくなってくる。
 
これを防止するためにチーム間戦力の均等化が必要になるわけです。
 
 
アメリカのNFL、MLBでは戦力均等を目指すために、ドラフト制度の中でも極端な方式をとっています。
ウェーバー制といって前年度成績下位のチームから選手の指名を行う、というものです。
 
ここで指名された選手は指名したチームと契約交渉を行わなければなりません。
日本のように会議で抽選して決めるのではなく、下位のチームに契約交渉の優先権が与えられます。
 
 
良い選手を成績の悪いチームから分配していくことでチーム間の競争力を保とう、ということですね。
 
 

まとめ

 
ドラフト制度とはいったいなんなのか。ドラフト制度はなぜ存在するか、という話をしました。
 
ドラフト制度は主にディビジョンの昇降格制度がないリーグが採用している
昇降格制度があるリーグでは毎年新しいチームと戦うことになるので、リーグの停滞が起こらないために必要がないのです。
 
 
そんな僕がドラフトいいなあと思うのは中継があることですね。
あれめっちゃ盛り上がるしわかりやすいですよね。
 
それだけでコンテンツになり得るのは大きな強みですね。うらやましい。
 
僕は毎年観ています、ドラフト会議。
 
今年は10月25日に行われる予定みたいですよ。
いまから楽しみですね。